里山資本主義
最近の新聞記事に、山形県天童市の木工会社が、使い道が少ないスギの間伐材を使った家具を開発したことが掲載されていました。
スギの間伐材は、表面が傷つきやすく割れやすいので、複雑な加工に不向きという欠点を独自の「圧縮加工」技術で克服したといいます。同社の家具は、まっすぐ伸びるスギらしい木目が美しい曲線のデザインに溶け込んでおり、大変評判のようです。
この記事を見て、以前読んだ「里山資本主義」(藻谷浩介・広島取材班)を思い出し、あらためて読んでみました。
同書は、製材所で発生する樹皮や木片などを「木質バイオマス発電」の燃料とすることで、地域のエネルギーを賄い、また多くの地域雇用を生み出した岡山県真庭市のケースなどを紹介し、経済再生、地域復活の鍵は日本の国土の多くを占める中山間地域にあるといいます。
また、このような地域内経済システムは、グローバル経済とは無縁であり、マネー資本主義に対して里山資本主義と呼び、今後の日本の未来は決して悲観することはないと力説しています。
折しも「地方創生」が国の重点施策として掲げられていますが、行動を起こすのは私たち地方に住む人々です。その点で、この本は大変示唆に富む内容であると思います。