金成町の「旧有壁本陣」
宮城県最北部に位置する金成町の「旧有壁本陣」をご存知でしょうか?
私もこれまで知らなかったのですが、同地域を訪れた際、有名な史跡と聞き、立ち寄りました。
「旧有壁本陣」は、元和五年(1619年)に奥州街道の宿駅として創設され、参勤交代後は、松前・八戸・盛岡・一関の各藩重臣が通行の際、宿泊した場所として知られています。
現存する建造物は、延享元年(1744年)に改築されたものですが、江戸の武士社会の息づかいを今に伝える趣深い建造物で、主要街道の重要な遺構として、昭和46年5月に国の重要な史跡にも指定されています。
その御成門は、明治天皇が2度出入りされて以来、現在まで堅く閉じられ、本陣の中には入ることはできませんが、典型的な書院造りで、その建築様式がみられるのは東北ではここだけだそうです。
付近には一般住宅が立ち並ぶ中、270年以上の歴史の流れにも耐えながら、小道にひっそりと佇んでおり、その歴史に想いを馳せると、当時のありさまや息吹きを間近に感じさせてくれるものでした。