くりはら田園鉄道公園
季節外れの猛暑となった5月、栗原市若柳にある「くりはら田園鉄道公園」を訪れました。
田植えを終えた水田が広がっている中、かつてここを走っていた車両(ディーゼル気動車)と木造の駅舎が目に飛び込んできました。
旧栗原電鉄は、1921年、旧登米郡石越村と旧栗原郡沢辺村の区間において開通し、その後、細倉鉱山まで延長、細倉鉱山から鉛や亜鉛の鉱石を輸送する重要な役割を担ってきました。
しかし、1988年に細倉鉱山が閉山され、主力の鉱石輸送を失った栗原電鉄は、1993年にディーゼル気動車のくりはら田園鉄道として第三セクター化されましたが、乗客の減少は続き、2007年にやむなく廃線となった歴史があります。
こうした歴史と魅力を伝えようと整備されたのが、「くりはら田園鉄道公園」です。
この日は、平日で見学者も閑散としていましたが、月1回程行われるイベントの日には、駐車場が一杯になるほど見学者が溢れるそうです。
廃線となった鉄道は、かつての夢と希望を運んだ想い出として地域住民にとってはノスタルジックな感傷を抱かせるものです。
この線路の続く先にはそれぞれの仕事場があり、1人ひとりの生活の場があり、当時の想い出とともに蘇ってくると思うと感慨深いものがあります。